リーマンショックとは、2008 年に米国の投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、世界金融市場に大規模な信用収縮と不安をもたらした金融危機である。
概要

リーマン・ブラザーズは、住宅ローン担保証券(MBS)や信用デフォルトスワップ(CDS)を中心に資産運用を行っていた。住宅バブル崩壊後、これらの金融商品に対する信用リスクが顕在化し、同社の資本構造が崩壊した。破綻は、米国だけでなく欧州・アジアの金融機関へも波及し、国際金融システム全体の脆弱性を露呈した。
役割と機能

リーマンショックは、金融市場における信用の相互依存性を示す代表的な事例である。破綻により、取引相手の信用評価が急激に下がり、担保価値の急落が連鎖的に発生した。結果として、銀行間取引(T+2 等)が停止し、資金調達が困難になった。金融機関は、流動性危機と信用危機の二重打撃を受け、政府・中央銀行の介入が不可欠となった。
特徴

- 破綻規模の大きさ:米国最大の投資銀行の破綻は、世界的な金融機関網に直結していた。
- 信用リスクの可視化:MBS・CDS 等のデリバティブが実際の資産価値と乖離していたことが明らかになった。
- 規制の抜け穴:金融商品取引の透明性不足と、レバレッジ比率の過大化が危機を加速させた。
- 政府介入の必要性:市場の信用回復には、金融機関の救済や資本注入が不可欠であった。
現在の位置づけ

リーマンショックは、金融規制改革の重要な触媒となった。ベイズ規制(Basel III)や米国のドッド・フランク法は、資本要件やレバレッジ比率の厳格化を図り、同様の危機再発を防ぐ枠組みを構築した。さらに、国際通貨基金(IMF)や国際決済銀行(BIS)などの多国間機関は、金融システムの安定化に向けた協調的監督を強化している。リーマンショックの教訓は、金融市場の透明性とリスク管理の重要性を再認識させ、現在の金融環境におけるリスク評価手法や監督体制の基盤となっている。
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