LNG(液化天然ガス)とは、天然ガスを約-162℃に冷却して液体化したもので、輸送・貯蔵が容易な形態のエネルギー資源である。
概要

天然ガスは主にメタンから構成される気体であり、そのままでは遠距離輸送が難しい。そこで冷却して液化すると、体積を約1/600に圧縮でき、船舶やタンク車両での輸送が可能になる。LNGは1990年代以降、石油製品と同様に国際貿易商品として確立し、特にアジア諸国への供給網が拡大したことで重要性を増している。液化プロセスは「冷却・脱水・乾燥・圧縮」の4段階で行われ、最終製品は高いエネルギー密度と低炭素排出特性を兼ね備えている。
役割と機能

LNGは以下のような場面で主要な役割を果たす。
- 発電・熱供給:ガスタービンやボイラーに使用され、クリーンエネルギー源として採用が進む。
- 産業用途:化学合成や製造プロセスでの燃料・原料として利用。
- 輸送手段:LNG専用タンカー(LTU)により、陸上パイプラインが整備されていない地域へエネルギーを供給。
- 価格ベンチマーク:Henry HubやSpot LNG市場での取引価格は、天然ガス市場全体の動向を示す指標となる。
特徴

| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 高エネルギー密度 | 液化により体積が大幅に縮小し、輸送コストを削減。 |
| 低炭素排出 | 燃焼時のCO₂排出量は石油・石炭に比べて約30%低い。 |
| 輸送形態の多様性 | LNG専用タンカー、LNGターミナル、再液化装置(RLP)を組み合わせたサプライチェーンが形成される。 |
| 価格変動性 | 天然ガス供給量・需給バランスに敏感で、季節や地政学的リスクによって大きく変動する。 |
液化プロセスのエネルギー消費は高いものの、燃焼効率と輸送効率を考慮すると総合的には環境負荷が低減される点が特徴である。
現在の位置づけ

近年、再生可能エネルギー拡大に伴う電力需要増加や、炭素規制強化によってLNGはクリーン燃料として注目を集めている。欧州連合では「グリーンデール」政策の一環で石油依存から脱却しつつも、発電用に天然ガスを活用するケースが増加している。また、米国のシェールガス革命によりLNG輸出量が急増し、アジア市場との取引が拡大。価格メカニズムは、長期契約ベースとスポット市場の二重構造で形成されており、特にSpot LNG市場では需要供給の即時反映が行われるため、投資家や企業はリスクヘッジ手段として先物・オプション取引を活用している。規制面では各国の輸入許認可や環境基準が整備されつつあり、LNGインフラへの投資は長期的な資本需要となっている。
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