自己資本改善方策とは、金融機関が自己資本比率を向上させるために実施する財務・経営上の施策である。
目次
概要

自己資本改善方策は、バーゼル合意や金融庁の資本規制を受け、金融機関が資本の健全性を確保するために策定される。金融危機後の規制強化に伴い、自己資本比率の維持・上昇が不可欠となり、各金融機関は資本構成の見直しを進めている。
役割と機能

自己資本改善方策は、資本規制に適合し、信用リスクや市場リスクに対する耐性を高める。具体的には、資本増強、利益留保、資産質の改善、株主還元の調整などを通じて、自己資本比率を上げ、金融機関の安定性を確保する。これにより、預金者・投資家の信頼を維持し、資金調達コストを低減する。
特徴

- 資本増強:新株発行・資本増資により自己資本を拡充。
- 利益留保:配当削減・利益再投資で内部留保を増やす。
- 資産質改善:不良債権処理・リスク資産の再評価で資産の質を向上。
- 株主還元調整:配当・株主優待の見直しで資本構成を最適化。
これらは、単なる資本比率の上昇を目的とせず、リスク管理体制の強化と資本効率の向上を同時に図る点が特徴である。
現在の位置づけ

近年、金融庁は資本保全バッファの導入や、第二種金融商品取引業者への資本規制強化を進めている。デジタルバンキングの拡大に伴い、ネット銀行や信託銀行も自己資本改善方策を積極的に採用している。さらに、FSBが示す国際的な資本基準の調和により、各国の金融機関はグローバルな競争力を維持するために、自己資本改善方策を戦略的に実行している。

