SWIFT MT 360とは、国際金融機関間で証券取引の決済情報を送受信するために設計された標準メッセージ種別である。
概要

SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)が提供するメッセージングフレームワーク内で、MT 360は証券取引の決済確認を目的として開発された。従来は紙ベースや各国独自のフォーマットが使用されていたため、情報伝達に時間とコストがかかっていた点を改善するため、標準化されたデータ構造を採用した。
役割と機能

MT 360は主に決済前後で取引相手間の合意内容を確認し、エラーや遅延を防止する。具体的には以下の場面で利用される。
- 証券保管銀行(カストディアン)と顧客行為者(投資家・機関投資家)の間で取引詳細を照合
- クリアリングハウスや決済システムに対し、証券の割当・送付情報を提供
- 規制報告要件(例:EMIR、MiFID II)に応じた取引データの提出
このメッセージは、取引参照番号、関係者識別子、証券コード・数量・価格・決済日などを一括で伝えるため、手動調整が不要となる。
特徴

- 統一フォーマット:フィールド(例::20:, :21:, :22A:, :23G:)により、情報の欠落や誤解釈を最小化。
- 双方向性:送信側と受信側が同じ構造でデータを交換できるため、相互確認が容易。
- 拡張性:追加フィールドを定義可能で、新たな規制や市場要件に対応しやすい。
- 多国対応:SWIFTネットワーク上で送受信されるため、通貨・言語の違いを超えて利用できる。
現在の位置づけ

近年のリアルタイム決済基盤(RTGS)や中央証券保管機関(CSD)の普及に伴い、MT 360は国際的な証券取引の標準的な確認手段として根強く残っている。規制当局は詳細な決済情報を要求するため、多くの市場インフラがこのメッセージタイプを採用している。
一方、ISO 20022への移行が進む中で、MT 360に相当する新しいメッセージ構造(例:SEPA Credit Transfer など)が検討されており、将来的には置き換えられる可能性もある。現在は既存システムとの互換性を維持しつつ、新規導入ではISO 20022ベースのメッセージが選択されるケースが増えている。
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