NOI前償却とは、物件の運営収益から経費を差し引いた後に、減価償却・償却費等の非現金項目を控除する前の純営業利益である。
目次
概要

不動産投資やREIT評価においては、物件の収益性を測る指標としてNOI(Net Operating Income)が広く用いられる。NOI前償却は、減価償却費を差し引かない形で算出され、実際のキャッシュフローと近似した数値を提供するため、投資家が物件の運営力を直感的に把握できるよう設計された。
役割と機能

- 収益性評価:減価償却は会計上の費用であり、実際の現金支出ではないため、NOI前償却はキャッシュフローに直結する指標として活用される。
- 比較基準:同一市場内の複数物件やREITを比較する際、減価償却の差異が評価に影響しないため、公平な比較が可能になる。
- 投資意思決定:購入価格・リース金額とのバランスを検討する際、NOI前償却は投資回収期間や内部収益率(IRR)の初期算出に利用される。
特徴

- 非現金項目除外:減価償却・償却費を差し引かないため、会計基準の変動に左右されにくい。
- キャッシュフロー近似:実際の収支と相関が高く、運用リスク評価に有効。
- 算定簡便性:減価償却率を考慮する必要がないため、短時間で計算できる点がメリット。
現在の位置づけ

近年のREIT市場では、投資家のキャッシュフロー志向の高まりからNOI前償却は注目度が増している。特に私募REITやサブリース契約を含む複合構造物件においては、減価償却の会計処理差異が大きくなるため、NOI前償却をベースとした評価モデルが採用されるケースが増えている。規制面では、金融庁や証券取引所からも「投資家保護」の観点で非現金項目除外の指標使用を推奨する動きが見られる。
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