基準価額算定基準(ファンドオブファンズ)とは、投資信託等の上位ファンドが保有する下位ファンドの基準価額を評価し、自身の基準価額を算出する際に適用される統一的な計算方法である。
概要

ファンドオブファンズ(FoF)は、投資家から集めた資金を複数の下位ファンドへ配分し、リスク分散と専門性の高い運用を実現する構造を持つ。FoF自身は実際に市場で取引される金融商品ではなく、その価値は保有する下位ファンドの基準価額に依存する。そのため、投資家が FoF の購入・解約時に正確かつ公平な価格を提示できるよう、基準価額算定基準が設けられた。
この基準は、FoF が下位ファンドの流動性や評価方法の差異を吸収し、投資家保護と市場透明性を確保するために不可欠である。特に、複数の国・地域から資産を集約する場合には、各下位ファンドが採用している会計基準や評価手法が異なることが多く、その差異を統一的に処理する枠組みとして機能する。
役割と機能

- 価値の算定 – FoF の基準価額は、保有下位ファンドの正味資産価値(NAV)を加重平均し、さらに管理手数料や税金等の調整項目を差し引くことで決定される。
- 情報開示 – 投資家に対して FoF の構成資産とその評価方法を明確化し、投資判断の根拠を提供する。
- 流動性管理 – 下位ファンドが解約や追加購入時に発生する価格変動を吸収し、FoF 全体としての取引価格安定性を維持する。
- 規制適合 – 金融商品取引法等の監督機関が求める公正な評価基準に沿い、投資家保護と市場秩序の確保に寄与する。
特徴

- 加重平均方式:下位ファンドごとのNAVを保有比率で重み付けし合算。
- 調整項目の統一:管理費用、税金、流動性割引等が共通のルールに基づき差し引かれる。
- 時価評価の適用:市場価格が存在する下位ファンドは時価で評価され、非上場資産は公正価値で算定。
- 透明性確保:計算過程と使用データを開示義務化し、投資家に対して説明責任を果たす。
現在の位置づけ

近年、FoF はアセットクラス間の連携や国際分散投資の手段として注目されている。その中で基準価額算定基準は、投資家が FoF のリスク・リターンを正確に把握できる鍵となっている。
また、スマートベータ戦略やESGテーマファンドなど、新たな下位ファンドの増加に伴い、評価方法の多様化が進む一方で、統一的な算定基準は市場全体の安定性を支える重要要素として位置づけられている。
規制当局も、FoF の透明性と公正性確保に向けて、基準価額算定基準の改訂や監査強化を継続的に検討しており、投資家保護と市場効率性の両立が求められている。
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