IAS 31

IAS 31とは、国際会計基準(IFRS)における「負債の引当金・偶発的負債・偶発的資産」の認識と測定を規定する標準である。

目次

概要

概要(IAS 31)の図解

企業が将来支払う可能性の高い義務や、確定しているがまだ実行されていない負債を会計上に反映させる必要性から策定された。IAS 31は、引当金(Provision)と偶発的負債・資産(Contingent Liability / Contingent Asset)の区別を明確化し、報告の一貫性と比較可能性を高めることを目的としている。

役割と機能

役割と機能(IAS 31)の図解

IAS 31は貸借対照表における負債項目の認識基準を定め、企業が将来発生する見込みの支出や受取を適切に計上できるようにする。これにより、財務比率(流動比率・自己資本比率など)への影響が明確化され、投資家・債権者がリスク評価を行う際の基盤となる。また、監査人はIAS 31に従い、引当金の妥当性と偶発的負債・資産の開示要件を検証する。

特徴

特徴(IAS 31)の図解

  • 区別
  • 引当金:現状で法的または事実上の義務が存在し、将来支払われる見込みが高いもの。
  • 偶発的負債:発生が可能だが確定していない義務。
  • 偶発的資産:受取が可能だが確定していない利益。

  • 測定:引当金は「最良見積もりの支出額」で計上し、偶発的負債・資産は「実際に発生した場合の期待値」を開示する。

  • 開示要件:将来の支払いや受取の可能性、金額の範囲、時期などを注記で明示し、財務諸表利用者への透明性を確保。

現在の位置づけ

現在の位置づけ(IAS 31)の図解

IAS 31は後にIAS 37(Provisions, Contingent Liabilities and Contingent Assets)へ統合・置き換えられたが、既存の報告書や特定国での会計基準として残存するケースもある。IFRSを採用する企業は、引当金と偶発的項目の認識に関してIAS 37を参照しつつ、IAS 31の原則を継承している。近年では、デジタル化・AIによるリスク評価ツールの導入が進み、引当金計上の精度向上や開示情報の拡充が期待されている。

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